全ての自信がない人へ
前述したように僕には自信がない。
隠したいことが多いし、他人の評価を気にしすぎる節がある。
しかし、これって自分以外にも多くの人にも当てはまる事なのではないだろうか。
少なくとも自信を持てない人の数はきっと僕が思っているより多くいるだろう。
そんな僕らに朗報がある。自分は最近少しだけデータサイエンス系の勉強をしている関係である本を読んでいた。
それはSeth Stephens Davidowitz著の「誰もが嘘をついている〜ビッグデータ分析が暴く人間のやばい本性〜」という本だ。
タイトルに若干の品の無さはあるが内容は至って学術的でなかなか面白かった。著者が元グーグルのデータサイエンティストで、グーグルトレンドやグーグルコリレイト、またウェブ上のテキスト分析などを行い、これまでの定説を覆すような様々なビッグデータを活用した社会科学的な分析結果を提示している。
そしてセスは一冊を通して終始グーグル検索を「デジタル自白剤」と呼び、多くの人が人に相談できないような内容もグーグルには気軽に相談し、全てを打ち明けてしまうと述べている。これには確かに自分にも思い当たる節がある。絶対人に相談できない、ましてやこんなところに書けないような内容をグーグルには幾度となく相談(検索)している気がする笑
しかし、自分以外にもこのような経験に思い当たる人は少なからず存在するのではないだろうか。
若干前置きが長くなったがここからが本題。
そんな全ての人が真実をつい告白してしまうグーグル検索を用いた分析が、自信を持てない僕らにある嬉しい事実を教えてくれる。
それは不安や気恥ずかしい気持ちを抱えているのは自分だけではなく、多くの他の人もそのような気持ちを抱え、自分に自信がない、という事だ。
ここまで自分自身、「自信を持てない人は思っているより多くいる」と冒頭に書いてはいるが、そこには確証がなかった。しかしそこに確証を持てる一つのデータをグーグル検索は教えてくれる。
セスによると、2014年オバマ大統領の一般教書演説中に米国人が検索した物事トップ10のデータは以下の通りである。
果たしてこれが民主主義国における大統領の演説の最中に調べる事だろうか。この検索内容はとてもじゃないが政治意識が高い人間によるものとは思えない。演説の内容よりネクタイの色が気になるのかと思ってしまう。しかしGoogle検索のトップがこのような内容であるという事実は、多くの国民が確かにこのような稚拙な疑問を抱いているという事を示している。そしてそれは恥ずかしくて人には聞けないが、グーグルになら気軽に尋ねる事ができる、という事なのだろう。
僕らがどれだけその人に尋ねたって教えてくれない事もこのデジタル自白剤を用いればいとも簡単にその人の内面についてを教えてくれる。
この結果から何が言えるだろうか。
それはこの本の中で以下の人生訓として表現される。
「自分の内面を人の外面と比べる事なかれ」
これはつまり、多くの人は稚拙な疑問やバツが悪い事実を人に見せようとはせず、外面は素晴らしく作り上げる。しかしそれを見て、自分の内面と比べるのではそもそも比べる対象が間違っており、他人の外面と自分の内面とを比べる事で自分を卑下することは適切ではないのではないだろうか、ということを示唆している。
自信がない僕らの多くは他人の外面と自分の内面を比べてしまっている。
もっとも人の内面を知る事などそう簡単にできない。しかしグーグル検索は確実に多数の不安を抱え自分に自信のない人間がこの世界に存在することを証明している。
つまり全ての臆病で慎重派の僕たちには名乗らないだけで、多くの仲間がいるのだ。
僕ら全員同じような悩みを持った仲間が。
だからそれを覚えておけば、きっと今よりも少しだけ勇敢な自分になれるのではないだろうか。